想いをつなぎ、つなぐをつくる企業

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DSP物流コラム

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社内業務を再構築して、経営を筋肉質にする『物流部門の戦略的アウトソーシング』の進め方

都丸中

目次

深刻化する「人手不足」——いま、自社物流を抱える企業に求められる発想の転換

昨今、多くの企業が頭を悩ませているのが、慢性的な「人手不足」です。特に、自社で倉庫を保有し、物流部門や発送業務を内製化している企業にとって、採用難や人件費の高騰、さらには物流の「2024年問題」に端を発する配送コストの上昇は、経営を揺るがす深刻な課題となっています。

「人を集める」努力から「業務構造を変える」発想へ

これまで多くの企業では、欠員が出れば「求人を出して人を補填する」という対応を行ってきました。しかし、労働人口が減少を続ける現在の日本において、従来どおりの手法で必要な人材を確保し続けることは、年々難しくなっています。

いま求められているのは、従来の「いかに採用するか」ということではなく、「少ない人数でも事業が円滑に回るように、社内業務の構造そのものを変革する」という発想の転換です。

人手不足を単なる「ピンチ」で終わらせず、経営改革の「チャンス」にする視点

人手不足は一見すると大きな「ピンチ」ですが、見方を変えれば「自社の無駄な業務や旧態依然としたオペレーションを見直し、経営体質を根本から筋肉質にするための最大のチャンス」とも言えます。

自社物流のあり方を見直し、外部のプロフェッショナルを活用する「戦略的アウトソーシング」に踏み出すことで、企業は人手不足の恐怖から解放され、次の成長フェーズへと躍進することができるのです。

データで見る「人手不足」の現実とサプライチェーンへの影響

2024年問題以降、さらに増す物流・バックオフィスへの圧力

トラックドライバーの20~29歳の若年層比率は9.1%と全職業平均を大きく下回る状況です。また、残業時間規制に伴う、いわゆる「2024年問題」以降、集荷時間の前倒しや運賃の値上げ、急な配送枠の制限などが日常化しています。このまま業界全体で対策を怠れば2030年度には約34%(9億トン相当)の輸送能力が不足するという厳しい予測が出ています。

これに伴い、現場の発送作業だけでなく、配送手配や納期調整、問い合わせ対応といった「物流に伴うバックオフィス業務」の負担も急増しています。自社でこれら全ての変化に対応し続けることは、現場の担当者に過度な負担を強いる結果となっています。

社内リソースが圧迫されることで生じる「隠れた機会損失(コア業務への集中阻害)」

自社物流の現場で人が足りなくなると、本来は企画・営業・商品開発といった「売上や利益を生み出すコア業務」に集中すべき社員が、倉庫でのピッキングや梱包作業、発送トラブルの対応に追われることになります。

  • 営業活動の量が減り、新規顧客が開拓できない
  • 新商品の企画やマーケティング施策が後回しになる
  • 繁忙期の出荷遅延により、顧客満足度が低下する

これらはすべて、帳簿上のコストには表れない「隠れた機会損失」です。現場を回すことにリソースを奪われ、事業の成長機会を逃してしまうことこそが、人手不足がもたらす最大の経営リスクと言えます。

単なる「丸投げ」ではない!『戦略的アウトソーシング』とは?

自社物流の課題を解決する手段として注目されているのが「アウトソーシング(外部委託)」ですが、ここで重要なのは『戦略的アウトソーシング』という考え方です。

従来型のアウトソーシング(単なる穴埋め・コスト削減目的)との違い

従来の物流委託は、主に「一時的な人手不足の穴埋め」や「人件費を削るためのコストカット」を目的に行われることが多くありました。しかし、この方法では自社にノウハウが残らず、単に「外部に作業を丸投げしただけ」になりがちです。

一方で『戦略的アウトソーシング』とは、経営戦略の一環として自社の業務プロセスを再構成し、自社の強みを最大化するために外部パートナーと連携することを指します。

項目従来型のアウトソーシング戦略的アウトソーシング
目的一時的な穴埋め・コストカット業務構造の改革・コア事業への集中
発生費用の捉え方毎月の「経費(支出)」事業成長・変動費化のための「投資」
関係性下請け・発注者と受注者対等な「事業成長の伴走パートナー」
得られる成果日々の現場作業の遂行経営体制の筋肉質化
売上の最大化


「戦略的アウトソーシング」の目的:固定費の変動費化、業務の標準化、コア事業への集中

戦略的アウトソーシングを導入することで、以下のような経営上の大きなメリットが生まれます。

  1. 固定費の変動費化:倉庫維持費や固定人件費を「出荷量に応じた変動費」に変え、景気や季節の波動に強い財務体質をつくる。
  2. 業務の標準化:熟練社員の「勘や経験」に頼っていた発送業務をマニュアル化し、属人化を排除する。
  3. コア事業への集中:自社の人材を「売上を生む業務」に100%集中させ、成長速度を加速させる。

経営を筋肉質にする「戦略的アウトソーシング」進め方の4ステップ

自社物流を戦略的に外部化し、経営体制を強化するためには、正しい順序でステップを踏むことが成功のカギとなります。

Step 1:ノンコア業務とコア業務の切り分け(棚卸し)

まずは、現在社内で行っている全業務を洗い出し、「自社でしかできない業務(コア業務)」と「外部でも対応可能な業務(ノンコア業務)」に分類します。

  • コア業務:商品企画、マーケティング、営業・商談、顧客データの分析、ブランド構築など
  • ノンコア業務:商品の保管、ピッキング・梱包、ラベル貼り・検品、配送手配、伝票発行など

「自社でしかできないこと」に注力するために、ノンコア業務はプロの手へと委ねる決断をします。

Step 2:自社プロセスの可視化と標準化

切り分けたノンコア業務について、「誰が・何を・どのような手順で行っているか」を可視化します。

特定のスタッフしか知らない手順(属人化)が存在したままだと、外部への引き継ぎでトラブルが発生しやすくなります。「何をどう対応してほしいか」を整理し、マニュアル化やルール化を進めることが重要です。

Step 3:パートナー選定の基準

外部委託先を選ぶ際、単に「作業単価が安いか」だけで選ぶのは非常に危険です。戦略的パートナーとして信頼できるか、以下の観点で総合的に見極めましょう。

  • 柔軟性:自社特有のルールや、急な出荷波動(セール時など)に柔軟に対応してくれるか。
  • 現場力:誤出荷を防ぐ管理体制や、丁寧な梱包ができる「人の品質」が担保されているか。
  • 伴走姿勢:課題に対して提案を行ってくれるか、自社の成長を一緒に考えてくれるか。

Step 4:段階的な移行と継続的な業務改善

いきなり全ての物流を一気に移管するのではなく、まずは「特定の商品ライン」や「一部の流通加工業務」など、小さくスタート(スモールステップ)させるのが安全です。

移行後は定期的にデータ共有や課題の振り返りを行い、お互いに改善を重ねていく仕組みを作り上げます。

【持続可能なサプライチェーンの共通点】外部パートナーを活用して成長した成功パターン

実際に自社物流から戦略的アウトソーシングへと舵を切り、持続可能な成長を手に入れた企業のパターンをご紹介します。

パターンAEC/美容品):バックオフィス・物流業務を外部化し、新商品開発とマーケティングに注力して売上倍増

自社倉庫でスタッフが毎日梱包作業に追われていたメーカー企業様。売上が伸びるにつれて現場がパンクし、新商品の開発や広告運用に手が回らない状態が続いていました。そこで、商品の保管から梱包・発送業務を全面的に外部パートナーへ移管。発送作業から解放された社内スタッフが商品企画やSNSマーケティングに全力を注いだ結果、1年で新商品を3社投入し、EC売上を200%へと急成長させることができました。

パターンB(卸・EC/生活用品):波動(繁忙期・閑散期)に強い体制を構築し、固定費を大幅圧縮

季節によって出荷量の変動が大きい生活用品メーカー様。繁忙期に合わせて倉庫を広げ、スタッフを常時雇用していたため、閑散期にも大きな固定人件費・固定賃料が発生し、利益を圧迫していました。

アウトソーシングにより、出荷量に応じた「従量課金制(変動費)」へ移行したことで、年間を通じて無駄な固定費を大幅に削減。閑散期でも利益が出やすい、きわめて「筋肉質な経営体質」を構築されました。

まとめ:人手不足の時代を勝ち抜くために、今できる第一歩とは

人手不足が加速する現代において、「これまでの自社物流のやり方」にこだわり続けることは、企業の成長スピードを緩め、現場を疲弊させるリスクをはらんでいます。

  • 「人を集める」のではなく、「業務構造を変える」発想を持つ
  • ノンコア業務を切り離し、自社は売上を生むコア業務に集中する
  • 変化に対応できる「戦略的アウトソーシング」で固定費を変動費化する

人手不足というピンチは、自社の経営をより強く、筋肉質なものへと生まれ変わらせるチャンスでもあります。
「戦略的アウトソーシング」を検討してみてはいかがでしょう。

私たち「ディーエスピー株式会社」は、物流パートナーとして、貴社の事業成長につながる業務再構築をしっかりとサポートさせていただきます。

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都丸中 ディーエスピー株式会社 代表取締役

物流業界35年、物流・ロジスティクスをこよなく愛しています。いち早く個人情報の管理体制を整えたり、2013年には当時の基幹物流管理システムを知人のシステムエンジニアと一緒に開発したり、事業領域を広げたりと、常に先を見て形にしていくことが得意です。社員とその関係者、お取引先、地域社会と「共に輝き合える」ように、いい会社づくりに向けて日々、奮闘中!